はじめに
まずは弾けるようにしよう♪
普段まったく楽器を触らない人でも必ず口にしたことがあるであろう『ドレミファソラシド』という言葉。
多くの人がおそらく小学校の音楽の時間に初めて耳にする言葉ですよね。
そして大人になった今も楽器を続けている人の方がもしかすると珍しいのかもしれませんが、
このブログをご覧の方はきっと何かしらの楽器をされている方たちではないでしょうか。
音楽理論をこれから学ぼうとしている方は
まず『ドレミファソラシド』を自分の楽器で弾けるようにしましょう!
というのが前回までのおさらい。
弾けるだけではなくゆくゆくは、
『ドレミファソラシド』と五線譜で書かれたものを読めるように、
そして『ドレミファソラシド』を五線譜に書けるようにしておくことが次のステップです。
読み書きができる筆者はこんなことをやっています
普段は某大手の音楽教室でギターやウクレレのレッスンをしたり、
演奏活動やレコーディング、譜面制作のお仕事をさせて頂いています。
僕が楽譜の読み書きができるようになったきっかけは、音楽教室の講師資格試験でした。
音楽理論の筆記試験があったのでその勉強のために市販の理論書やギターの教則本をたくさん買っては、
読んでも意味がわからず当時はほとんど理解できていませんでした。
音楽理論というのはある時、あるタイミングで
「よしっ、理解できた!」
という感じではなく、
勉強してぼんやりとインプットしたことをギターで弾いて練習したり、
ライブやレッスンでアウトプットし続けた結果、
少しずつ解像度が上がっていき徐々に理解していった、という感じです。
音楽理論を勉強し始めて徐々に理解が深まれば、
音楽を聴いただけで少しずつ楽譜に起こすことができるようになり、聴き取るスピードもどんどん早くなっていきました。
僕自身の例ですが、こんなことができるようになりました。
下記の動画は僕が耳コピをして譜面を作ったもののほんの一例です。
コードやメロディ、リズムなどを聴きとって五線譜に起こしてから、
その後必要に応じてTAB(タブ)譜に変換していく流れでいつも楽譜を作っています。
第一章 楽譜の読み方について
はじめに
皆さんは五線譜に書かれた楽譜を読むことが出来ますか?
五線譜の楽譜がなくてもギターやウクレレは弾けてしまうので、
趣味で楽器を演奏されている方のほとんどが五線譜を読む必要にかられることはないのではないでしょうか。
ただ、これから音楽理論を理解していくためには五線譜の楽譜は必須です。
何のために五線譜を読めるようになりたいのか、今一度考えてみましょう。
将来なりたい姿をイメージして取り組むことでモチベーションになるはずです。
ギタリストは楽譜が読めない!?
『ドレミファソラシド』という音階はピアノや管楽器などのクラシック系の楽器であれば
当たり前のようにすぐに奏ることができると思います。
小学校ではリコーダーを使って、みなさんもれなく五線譜を読んで演奏されたていたことでしょう。
しかしながら、ギターやウクレレなどを演奏している人の中には意外とそれができない人も多いです。
なぜならギターやウクレレにはTAB(タブ)譜という専用の楽譜があり、
普段からどんな音階を演奏しているかは知らなくても、意識しなくても弾けてしまう楽器だからです。
下記は「ドレミファソラシド」を五線譜に記したものです。
とりあえずは上の楽譜を丸暗記するつもりで取り組んで頂きたいのですが、
以下に楽譜を読みやすくするためのヒントを少し記しておきます。
合言葉はドミソ♪
下に、ある法則に従って並べられた4つの五線譜を載せました。
ではもう少し視点を変えてみましょう
ドミソ・ミソシは線の上に音符が乗っていて、
レファラ・ファラドは線と線の間にはさまっています。
五線譜の線は基本的には5本ですが、状況に応じて五線譜の上下に足されることがあります。
すぐ上の五線譜の2小節目のような高い音は覚えなくても、線の上にある音符を「ドミソ〜」
線と線の間にある音符を「レファラ〜」と、たぐって数えていければOK!
今後出てくる「コード」のお話でも役に立ちますよ
全部で7つの合言葉
ドミソ・レファラを唱えられるようになったらついでに以下も覚えちゃいましょう。
ドミソ
レファラ
ミソシ
ファラド
ソシレ
ラドミ
シレファ
以上で『ドレミファソラシド』を一周しました。
7つの呪文
上の7つの合言葉にもう1つ音を足してみると、以下のようになります。
ドミソシ
レファラド
ミソシレ
ファラドミ
ソシレファ
ラドミソ
シレファラ
以上で『ドレミファソラシド』を一周しました。
先ほど覚えた7つの合言葉がそれぞれに含まれているのがわかりますか?
ドミソシ
レファラド
ミソシレ
ファラドミ
ソシレファ
ラドミソ
シレファラ
新しく覚え直さないといけないように見えるかもしれませんが、
7つの合言葉をそれぞれしっかりと覚えていれば4つになっても5つになっても同じなんですね。
以上の『7つの呪文』をすぐ言えるようにしておけば、
今後「コード」を理解する上でとても役に立ちます。
第二章 楽譜の書き方について
楽譜を書けなくてもギターやウクレレは弾ける
もしあなたが演奏する曲の楽譜を完璧に読めなくても、
CDやYoutubeなどを聴いて参考にすれば音を出すタイミングもわかるし、
なんとなくそれっぽく演奏できるかと思います。
しかし、逆にそれを楽譜に起こすことができる人は
趣味でギターをやっている方の中でも少ないんじゃないでしょうか。
みんな最初は楽譜なんて書けない
少し僕の経験談をお話しさせて下さい。
楽譜を一切書けなかった僕でも、
大学のサークルのコピーハンドで100曲以上のギターを演奏していました。
僕がギターを始めた時には既にTAB譜というものは世の中に浸透していました。
しかし、いくらTAB譜があって、左手で押さえるフレットの場所や右手で弾く弦の場所がわかったとしても
音を出すタイミング、つまりリズム的な要素はきちんと読めていませんでした。
読むよりも聴いた方が早いと思っていました・・・
当時、リズム譜を理解していればもっと短時間で弾けるようになっていたでしょうね。
しかしその反面、音楽を注意深く聴く能力は養われたと思っていますし、
それが今の僕の耳コピ能力につながっていると思っています。
音楽を聴いてそれを上手に弾く『能力』と
楽譜の読み書きや音楽理論などの『知識』をバランスよく吸収することができていたらもっと良かったんだろうな、
とも思っています。
あまり情報量が多くなっても混乱させてしまいますので、
『かんたん♪音楽理論の部屋』では僕が思う必要最低限の情報だけ載せておきます。
別テーマのコンテンツで投稿していく予定です
第三章 初心者向け!かんたん♪楽譜の書き方講座
まずは「かえるのうた」から
これから楽譜の書き方を学ぼうと思っている方、
今はまだ難しいリズムをスラスラと書ける必要はありませんので肩の力を抜いてお聞きくださいね。
さっそく完成形を載せておきます↓
音を伸ばしたり、切ったり、などなどの解釈で書き方に多少の違いが生じます。
ケロケロケロケロじゃなかったんだね(笑)
まずは拍子から
世の中には4拍子、3拍子、5拍子などなど、さまざまな拍子が存在します。
その中でも一番身近な4拍子の曲である「かえるのうた」の楽譜を書いていきましょう。
以下に空っぽの五線譜を用意しました↓
五線譜の左端にある「ト音記号」の右側に4拍子であることを示しておかないといけません。
今回はみなさんにとって馴染み深い4分の4拍子であることを記します↓
五線譜の上に縦線を引いて小節を作ります↓
小節は一段当たり2小節でも、4小節でも良いのでまずは自分で読みやすいようにしておきましょう。
手拍子を打ってみよう
次は、
手拍子を1小節の間に4回、等間隔で打ってみましょう。
手拍子を打つ速さはまずは適当で良いです。
手拍子1つ1つを「拍」と言います。
打った回数を表す場合
1回打てば「1拍」、2回打てば「2拍」というように、打った回数の後に「拍」という言葉を付けて表現します。
先ほどの図1の譜面は合計「4拍」ということになります。
手拍子の内の何回目かを表す場合
先ほどの図1の譜面は1小節に4回打っていますが、
同じ小節内の1つ目の拍を「1拍目」、2つ目の拍を「2拍目」、
3つ目の拍を「3拍目」、4つ目の拍を「4拍目」というように表現することがあります。
例):「『手拍子』という文字が1拍目に付いている」といった感じです。
すると以下のようになるかと思います↓
上の譜面のように手を「いち・に・さん・し」と数えながら打つことで、
今あなたは「4分音符」のリズムを鳴らしていることになります。
手拍子を打ちながら歌ってみよう
以上をふまえて、手拍子を打ちながら歌ってみましょう。
手拍子1回1回に対して「かえるのうた」の歌詞を当てはめていく感じです。
すると、以下の8小節のようになりませんか?
もし上の譜面のようにならない方は歌詞が4分音符のリズムになっていないかもしれないので、
上記の譜面になるように調整し直してみて下さい。
休符を入れてみよう
図2の譜面で、手拍子の記号の下に歌詞が書いていないところはお休みしている場所、
つまり「休符」と捉えることができます。
「音符」が音を鳴らす記号であるのに対して、
「休符」は音を鳴らさない記号です。
歌っていないところ(歌詞がないところ)に休符を記入すると以下のような譜面になりました。
音符を入れてみよう
かえるのうたを「ドレミ」で歌ったことありませんか?
おそらく多くの人が下のように、小学生の時に音楽の授業で先生に歌わされたのではないでしょうか。
かえるのうたが (ドレミファミレド)
きこえてくるよ (ミファソラソファミ)
クワッ クワッ クワッ クワッ (ド ド ド ド)
ケケケケ ケケケケ クワックワックワッ (ドドレレ ミミファファ ミレド)
上記のドレミで示した部分をそのまま五線譜に写すと以下ようになります↓
これで「かえるのうた」の楽譜が完成しました!
ドレミがわからない曲の場合は以下の楽譜を参考に、楽器で音を鳴らしながら探ってみましょう
「かえるのうた」の7小節目に並んでいる音符は8分音符がつながったものです。
他の小節は基本的に手拍子1回に対して歌詞1文字でしたね。
「ケケケケ」の部分は手拍子1回に対して等間隔で「ケ」を2回口ずさみますよね?
つまり一拍の内に音を2つ詰め込んでいます。
それにより1拍分である4分音符が2つに枝分かれすることによって、
8分音符2つになりました↓
8分音符は連続して複数個並ぶ場合には視覚的にスッキリと読みやすくするためにつなげて表記する場合がほとんどです。
図4では8分音符が4つ繋がったものが×2つ並んでいます。
楽譜を書く人によって2つずつだったり、4つずつだったりと偶数個でまとめている場合が多いです。
3つのように奇数で繋がっている場合も見たことがありますが個人的には偶数個まとまりの方が読みやすいので、
僕が書く場合は奇数個で繋ぐことはありません。
第五章 楽譜の書き方 おさらい
ざっくりとおさらいします
一言で言うと「手拍子を打ちながら歌ってみる」ということでした。
『かえるのうた』では4分音符と8分音符が出てきました。
手拍子1回につき音を1つ鳴らすと4分音符になり、
手拍子1回につき音を2つ詰め込むと8分音符になりました。
音を鳴らさないところには休符を記します。
手拍子1回につき音をいくつ詰め込んでいるかがポイントです。
その詰め込む数によって音符の種類が決まります。
第六章 楽譜の書き方 応用編
音を詰め込む
ちなみに音を手拍子1回につき4つ詰め込むと16分音符になります。
以下の図は前述した通りですが、4分音符の音の長さと1拍の長さはイコールでした↓
1拍の中には4分音符であれば1つ、
8分音符であれば2つ、
16分音符であれば4つ詰め込むだけの時間的なスペース(空間)があります。
つまり1拍の中に各種音符を組み合わせて詰め込むことも可能です。
例えば、1拍に8分音符を2つ詰め込むことも『かえるのうた』ではありました。
それ以外にも「8分音符を1つ」と「16分音符2つ」を1拍の中に詰め込むこともできます(図5)
いろんな種類の音符が組み合わさってさまざまなリズムを作り出します。
『とんぼのめがね』を楽譜に書いてみよう
例によって手拍子しながらまずは歌ってみましょう。
すると以下のようになりましたか?
では手拍子1回につき2文字のところは1拍を半分ずつに分けるため8分音符を用います。
すると以下のような楽譜になるでしょう↓
次はメロディ通りに音符を記していきます。
ドレミファソラシドの音階の中から自分で探ってみて下さい
「音階から自分で探る」という作業そのものがまさに耳コピです。
まだ未完成ではありますが、ひとまず大枠は出来上がりました。
7、8小節目がなんか違和感ありますね
次は音符と音符をつないだりしてみましょう
音符と音符をつなぐ?
『とんぼのめがね』の7、8小節目。
このままではうたった時に変な感じになりますよね。
実際の歌い回しのようにするためには音符と音符を繋ぐ必要があります。
そのために下の譜面のように音符と音符に橋渡しをするような記号を用います。
これで自然な歌い回しになりましたが、まだ不完全です。
というわけで、『とんぼのめがね』の譜面の完成形が以下になります↓
第三章で音符の種類を学びましたが、他にもいろんな音符があります。
代表的なものに点がついた音符である「付点音符」というものがあります。
上記の『とんぼのめがね』の譜面の完成形では付点4分音符と付点2分音符が登場しました。
点がつくことにより、点が付いてない場合と比べて
音の長さが1.5倍の長さに変化します。
付点4分音符なら4分音符の1.5個分の長さ(1拍半)、
付点2分音符なら2分音符の1.5個分の長さ(3拍)に変化します。
付点4分音符
付点2分音符
さいごに
まとめ
かんたん♪音楽理論の部屋、
【楽譜の読み書き 編】は以上になります。
一般の音楽理論の本に比べてかなりかいつまんだ説明にはなりますが、
網羅的にして情報量が膨れ上がるのを意図的に避けました。
まずはこちらに書かれていることを理解して頂き、
さらに理解を深めたい方は理論書を買って読んで頂ければと思います。
楽譜の読み書きをギターやウクレレに応用させたい!
今回は初心者でも扱いやすい童謡を題材に解説しましたが、
みなさんのお好きな曲の読み書きを学びたい方は是非オンラインレッスンをご利用ください。
ギターやウクレレの実技レッスンはもちろんのこと、
音楽理論や作曲方法などの座学のレッスンも行っています。
譜面の読み書きに関しては
メロディだけの譜面、コード譜、メロディとコード譜、TAB(タブ)譜のみ、
などなど基本的にオールジャンル対応できます↓