はじめに
耳コピとは?
まずはじめに、「耳コピ」の定義からお話しします。
初めて聴いた曲のメロディやコードを楽譜を見ずにその場ですぐにギターで再現することを「耳コピ」とする、という考え方もあれば、
過去に聴いたことがあり、既に覚えていて頭の中に流れるメロディやコードを楽譜を見ずに、
改めて音源を聴きながらギターで再現することを「耳コピ」と捉える方も多いのではないでしょうか?
なのでこちらの解説では後者の「耳コピ」を可能にするためのヒントやアイデアをお伝えしたいと思います。
前者のような初めて耳にする音を聴き取るスピードも格段に上がりますよ
投稿者の紹介
数えたことはありませんが、過去に耳コピした曲は1000曲を軽く超えるんじゃないでしょうか。
普段ライブで演奏する曲や、発表会で生徒さんが演奏する曲は基本的に耳コピして譜面を作る場合がほとんどです。
他にも既存曲の楽譜を作成する仕事などもしております。
ギターのコードやギターソロなどのフレーズはもちろんのこと、
ギターの音が入っていないような曲のコード進行やメロディを聴き取って耳コピすることもあります。
例えば僕のYoutubeチャンネルで投稿している動画では、
五線譜作成、コード表記、タブ譜表記なども全て自分で耳コピして行なっています。
これから耳コピにチャレンジしたい方へ
そんな僕も耳コピを始めた頃は数小節のギターソロを聴き取るのに何時間もかかっていました。。。
当時は耳コピのコツなんて誰にも教えてもらえませんでしたし、今みたいにYoutubeもなかったので膨大な時間をかけて試行錯誤して、自分で色々気づくしかありませんでした。
気づけば早朝になってたことも何度もありました・・・
でも今では耳コピをするために役立つツールや情報がたくさん溢れているので、
これから耳コピを挑戦したいと思っている方はこちらの記事を参考にしていただければ
耳コピのスピードもだんだん早くなって、耳コピが楽しくなってくると思いますよ。
こちらの記事では一部、
ギターのタブ譜やポジションマークを用いて解説していますので、
五線譜が読めない方でも理解できる内容となっています。
まずは耳コピするために必要な環境を整える
イヤホンかヘッドホンを必ず使いましょう
みなさんは普段、音楽をスマホのスピーカーやノートパソコンなどのスピーカーから聴いていませんか?
スマホやノートパソコンのような小さなスピーカーではその性質上低い音域の音を再生出来ない場合がほとんどです。
耳コピに慣れるまでは特に、しっかりと低音を聴き取れるイヤホンかヘッドホンを必ず使用しましょう。
耳コピお助けアプリを使用する
僕が耳コピをする際に毎回使っているアプリがこちら↓
『mimiCopy』
mimiCopyは音源の再生速度を最大で25%まで落とすことが可能です。
なおかつ再生速度を落としても音の劣化が少なく、
速いテンポの曲やギターソロなどのフレーズを聴き取る際にとても便利です。
Youtubeにも再生速度を調節する機能が備わっているのですが、
テンポを下げた時の音質劣化が激しくクリアに聴き取ることができません。
mimiCopyではタップすれば5秒前、10秒前、15前へと瞬時に巻き戻してくれるので、
上手く聴き取れなかった時でも効率よく即座に聴き直すことが可能です。
テンポを上げ下げだけでなく、キーの上げ下げも可能で、
何よりその音質の良さに驚きます。
他には再生範囲を設定してリピートしてくれるループ機能などもあり、
ギターソロの一部分だけを繰り返し何度も聴くことなんかも可能です。
ループさせたい箇所の範囲設定を3つまで登録することもできます。
再生範囲は一番狭くて0.数秒から設定可能なので、
短時間で音が詰め込まれているような速弾きなどの耳コピも簡単にできます。
他にも色んな便利な機能が備わっていますが、
以上は有料版の情報なので、無料版の機能等は公式サイトでご確認下さい。
低速再生できるアプリはmimiCopy以外にもあると思いますので、
ご自身に合ったアプリを活用しましょう。
再生速度を落とさずに聴き取れるに越したことはありませんが、
必ずと言っていいほど時間を浪費するだけなのでダウンロードや設定の手間を惜しまず活用しましょう。
耳コピを開始する前に何度も繰り返し音源を聴いておく
当たり前のことかもしれませんが、
意外とコレが出来ていない方も多いのではないでしょうか。
僕も初めて聴いた曲を耳コピして短期間でYoutubeにアップロードしないといけないような場合は、
聴き込みが足りず耳コピにめちゃくちゃ時間がかかることがあります。
反対に、普段から通勤時や車内などで何度何度も聴いていて、
ギターソロを全部口ずさめるくらいの曲の方が圧倒的短時間で耳コピができます。
「この曲は絶対に耳コピしたい!」と思えるような曲ならギターを手にとってすぐさま耳コピを始める前に、
何度も何度も繰り返し曲を聴いておきましょう。
口ずさめない状態で先にギターを手にしてしまうと、
聴くことと弾くことを行ったり来たりしてしまい効率が悪くなります。
ギターで弾くコードのルート音をしっかりと聴く習慣をつける
ギターでコードを鳴らすと高い音か低い音が耳につきやすいと思います。
特に耳につきやすい高い音を聴き取れるようになればメロディやソロを耳コピしやすくなりますし、
低い音をしっかりと聴こうとすることで低音の聴き取りの感度も上がりコードの耳コピも早くなります。
実際に耳コピをしていきましょう!
それでは耳コピをはじめましょう!【コード編】
止めたりしながら耳コピを進めていきましょう
手始めにバンドサウンドがオススメ!
ギターだけの曲、ピアノと歌だけの曲、バンドの曲など、
世の中の音楽には色んな編成で演奏された楽曲がありますが、耳コピ初心者の方はバンド編成の楽曲を聴くことがオススメします。
バンドの中で低音パートを担当するベースの音は、
短音で鳴らしている場合がほとんどなので音を聴き取りやいです。
コードの響きの中の低音部分、つまりコードのルート音を聴き取ることをまず最優先しましょう。
CコードならC(ド)の音になります
耳コピしたい曲を低速で再生しながらご自身のギターの弦をはじきつつ、
ベースと同じ音が何弦の何フレットなのかを探っていきます。
曲のキーを判断しよう
先ほども触れましたが、
コードを耳コピする場合は5弦か6弦で音を探すのがオススメです。
例外はもちろんありますが、
曲の始まりと終わりのコードでキーが判断できることが多いです。
曲の冒頭や曲の一番最後に鳴っているコードに合わせて5弦か6弦のいずれかのフレットを左手で押さえ、
右手ではじいてみてピタリと音が合う場所を探してみましょう。
ピタリと会う音が見つかった時に何の音なのかを判断できるように、
5、6弦の開放弦から12フレットまでの音を覚えておくと良いでしょう。
メジャーかマイナーかを判断しよう
ルートを探し出せたらその音をルートにした「メジャーコード」もしくは「マイナーコード」を鳴らしてみて、
どちらがしっくりくるか確かめてみましょう。
6弦ルートのバレーコードで探ってみる
例えば6弦ルートのFメジャーコードのバレーコードの押さえ方を知っていれば、
コードフォームはそのまま変えずにボディの方向(自分から見て右)へフレットをずらしていけば6弦上の1フレットから12フレットまでの間に
F、F#、G、G#、A、A#、B、C、C#、D、D#、Eまでのメジャーコードを鳴らすことができます。
6弦ルートのFマイナーコードのバレーコードの押さえ方を知っていれば、
コードフォームはそのまま変えずにボディの方向(自分から見て右)へフレットをずらしていけば6弦上の1フレットから12フレットまでの間に
Fm、F#m、Gm、G#m、Am、A#m、Bm、Cm、C#m、Dm、D#m、Emまでのマイナーコードを鳴らすことができます。
5弦ルートのバレーコードで探ってみる
例えば5弦ルートのメジャーコードのバレーコードの押さえ方を知っていれば、
コードフォームはそのまま変えずにボディの方向(自分から見て右)へフレットをずらしていけば6弦上の1フレットから12フレットまでの間に
A#、B、C、C#、D、D#、E、F、F#、G、G#、Aまでのメジャーコードを鳴らすことができます。
5弦ルートのマイナーコードのバレーコードの押さえ方を知っていれば、
コードフォームはそのまま変えずにボディの方向(自分から見て右)へフレットをずらしていけば6弦上の1フレットから12フレットまでの間に
A#m、Bm、Cm、Cm#、Dm、D#m、Em、Fm、F#m、Gm、G#m、Amまでのマイナーコードを鳴らすことができます。
ダイアトニックコードをおぼえる
耳コピ初心者の方には必須項目ではありませんが、ダイアトニックコードをおぼえていれば、
曲の中で使用されているコードの候補を洗い出すことができ、膨大な数のフレット、コードから選択肢を狭めることができ、
圧倒的に耳コピが早くなります。
例えば、耳コピ中の曲の中でCメジャーとFメジャーの2つのコードだけでも聴き取ることができれば、
「G7、Am7、Dm7も使われているかもしれないな・・・」といったような予測が立てられるようになります。
ダイアトニックコード
♯系のダイアトニックコード
♭系のダイアトニックコード
カンペに1枚持っておくだけでも良いかもしれません
それでは耳コピをはじめましょう!【メロディ編】
止めたりしながら耳コピを進めていきましょう
トライアドを把握する
キーがわかってルートの音を把握したらトライアドのポジションを覚えましょう。
トライアドというのは3和音のコードのことです。
手始めにCのトライアドから始めてみましょう。
Cトライアドを1音ずつなぞってみる
Cトライアドを覚えたらルート音から順番に「ド→ミ→ソ」と高い音へと上昇してみましょう。
トライアドを上昇できたら次はルート音から順番に「ド→ソ→ミ」と低い音へと下降してみましょう。
つまりはCコードを構成しているコードトーンをそのままなぞる練習ですが、
メロディやギターソロが各種トライアドを上記のようにそのまま弾いているようなパターンも実に多いです。
音にしっかりと耳を傾けながらトライアドを何度も弾いている内に耳が慣れてきて、
実際耳コピをする際に音をうまくキャッチできるようになります。
なぞる音数を増やしてみる
トライアド以外の音も取り入れて、
ルート音から「ドレミファソ」と上昇して弾けるようにしましょう。
上昇できたら「ドシラソ」と下降して弾けるようにしましょう。
メジャースケールを弾いてみる
ルート音からメジャースケールを上昇してみましょう。
次はルート音からメジャースケールを下降してみましょう。
世の中に溢れているうたのメロディやギターのフレーズやソロなどの大半はメジャースケールを元に作られているので、
日頃からメジャースケールの響きに触れることで
「今はドの音が鳴っているな」と言った感じに耳の感度が上がり鳴っている音のおおよその予測がつくようになってきます。
正解していなくても良いので普段からなんとなく意識して音を浴びておきましょう
ペンタトニックスケールを弾いてみる
ギターの演奏でも使用頻度の高い音階に「ペンタトニックスケール」というものがあります。
ギターという同じ楽器を使用している場合、それがもし違う曲を演奏していたとしても、
メロディの音の並び方やパターンが似ていることも多いので、
そのパターンをいくつか経験しておくことで耳コピも早くなります。
メジャーペンタトニック
マイナーペンタトニック
歌っているかのように実際のフレーズに応用させるための練習にもなります
少しずつ慣れてくるとギターのフレーズを聴いただけでどこのポジションを押さえているか、
何弦をチョーキングしているかなどのポジションの図が目に浮かんでくるようになります。
さいごに
まとめ
かんたん♪音楽理論の部屋、
【耳コピ 編】は以上になります。
アドリブよりも耳コピが大好きな僕が15年以上かけてやってきたことをまとめてみました。
今後も修正を加えたり、新しい情報を更新したりしていきます。
今後は実際の楽曲を例に、耳コピをする上でのポイントやコツをご紹介する予定ですので、
興味のある方は是非ブックマークして頂き、音楽理論の部屋をたまに覗きに来てくださいね。
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