ブログ 春畑道哉研究所

春畑道哉研究所 #1『Stories』の分析

はじめに

楽曲について

『Stories』は1989年発売のTUBEの10枚目のシングル。
同年発売されたTUBEのベストアルバム『TUBEst』にも収録されているほか、
1994年発売のバラードベストアルバムである『Melodies & Memories』にもセルフカバーされ別アレンジで収録されています。

針生
僕のYoutubeチャンネルのコメント欄でTAB譜をリクエストして頂いたのをきっかけに今回投稿しています

TAB譜はこちら

ギターソロについての解説

今回の楽曲のキー(調)について

『Stories』はギターソロ以外のセクションはAメジャーキー
ギターソロのセクションではCメジャーキーに転調しています。

ギターソロの終盤で上手くAメジャーキーに転調し直して元のキーに戻っているのが特徴です。

針生
モーダルインターチェンジという手法ですね

『Cメジャーキー』=『Aマイナーキー』と捉えることができるので、
ソロ以外は「Aメジャーキー」、ソロは「Aマイナーキー」と捉えることができます。

ショーンくん
メジャーは明るく、マイナーは暗い印象を与えるんですよね

『A』という同じルートを持ったメジャーキー(明)、マイナーキー(暗)のそれぞれのダイアトニックコードを曲中に行ったり来たりする手法はよくあります。

針生
TUBEの曲の中でもたくさんありますよ

ギターソロのコード進行について

ギターソロのセクションのコード進行はほぼCメジャーキーのダイアトニックコードで構成されています。

針生
最後のAsus4コード、Aコード以外はダイアトニックコードばかりです

Cメジャーキーのダイアトニックコードは以下の通りです↓

針生
もう一度以下のコード進行と照らし合わせてみましょう

FM7とF、G7とGはほぼ同じものと捉えてください。
ほぼCメジャーキーのダイアトニックコードで構成されていることがお分かりいただけるかと思います。

針生
コードについて詳しく知りたい方はこちらのページ最下部の『〜かんたん♪音楽理論の部屋〜』のコンテンツをご参考ください

スケールについて

曲のキーがCメジャーキーなので、使用しているスケールはほぼCメジャースケールを使用しています。
使用されているスケールをコードごとに明記するような一般的な解説はあえてこちらでは割愛します。

少し音楽理論を勉強した方であれば「Dm7のコードにはDドリアンスケールを・・・」
といったスケールの情報と音の羅列だけを載せたようなありきたりな解説はもう見飽きた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

針生
オンラインレッスンスタジオレッスンでは丁寧に解説していますがあえてこちらでは割愛いたします

各フレーズのポイント

【2〜5小節目】メジャースケールを中心としたフレージング。
Am7の小節ではブルーノート(3弦20フレット)を使用した春畑さんお得意のプレイ。

【6小節目】3弦4フレットと1弦7フレットはDm7コードに対してのテンションノート(13th)を使用することで、
単調にメジャースケールを駆け上がるだけでなく独特の浮遊感を醸し出している。

【7小節目】ぺンタトニックスケールを用いたフレージング。
1弦7フレットのみEm7の5度の音を使用していると捉えると、残りはAマイナーペンタ(=Cメジャーペンタ)一発。

【8小節目】上記のフレーズと順番は変わるが、例えば3弦14フレット→2弦13フレット→1弦13フレット→1弦17フレットの順番に鳴らせば、
Fコードのトライアド(コードトーン)になっていることがわかる。

針生
コードトーンを多用したフレーズは春畑さんのメロディアスなプレイの大きな特徴の一つです

【9小節目】上記のフレーズと順番は変わるが、例えば3弦16フレット→2弦15フレット→1弦15フレット→1弦19フレットの順番に鳴らせば、
Gコードのトライアド(コードトーン)になっていることがわかる。

ショーンくん
コードトーンを2小節連続で使用していますね!

【10〜11小節目】ギターソロの進行の中で唯一のノンダイアトニックコード。
C♯の音がAメジャーコードの3度の音になり、この小節からキレイに転調前のキーに戻っている。

針生
F→G→Aという全音ずつ上がっていくメジャーコードの進行もTUBEの楽曲ではとても多いです

ショーンくん
その例も今後追記してくださいね

【12小節目】右手の手刀部分を弦の上に軽く触れたままハイポジションからローポジションに(本体部分からネック川の方向に)かけてスライドさせつつ、
左手は開放弦と任意の弦・フレットを押さえトリルすること(プリングオフとハンマリングオンを素早く繰り返すこと)で独特なハーモニクス音を出している。

針生
僕は3弦4フレット→3弦2フレット→3弦開放弦のトリルを左手で行いながら、右手の手刀部分をスライドさせています

さいごに

春畑道哉研究所、記念すべき第1回目はTUBEの10枚目のシングル『Stories』でした。

針生
模範演奏は下記の動画をご参考ください

ちなみに『Melodies & Memories』に収録されているバージョンのStoriesは、
ガットギターでしっとりとやさしいサウンドで演奏されいて、ギターのフレーズも全く異なる演奏になっています。
ソロも素晴らしいのですが、歌中のバッキングやオブリガードも秀逸で必聴です。

針生
ソロの弾いてみた動画はこちらです↓

『かんたん♪音楽理論の部屋』 のコンテンツはこちら👇

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